ビギナーによるせどり分析

せどりや読んだ本の感想について

「首鳴き鬼の島」 石崎 幸二

    

内容(出版社の紹介)
相模湾に浮かぶ資産家の私有地・頸木島は、「首鳴き鬼」の伝説から首鳴き島と呼ばれていた。首を切られた鬼の身体が首を求めて鳴きながら彷徨うという伝説だ。若者向け情報誌の怪奇スポット特集の取材で、ガールフレンドとともに島を訪れた編集者・稲口は、後継者問題で資産家一族が集まる頸木島の頸木館で、伝説に見立てた連続殺人事件に巻き込まれた! 孤島、嵐の夜、そして見立て殺人……。メフィスト賞作家が久々に放つ本格ミステリ。

<感想>
 「嵐の山荘」で見立てによる連続殺人なんて聞いたら、もう間違いなく’アレ’がトリックとして出てくるだろうなんて考えてしまうわけですが、それを今まで例のなかった(ないですよね?)トリックで、見事な作品に仕上げています。いや、正直突っ込むところなんてたくさんあるんでしょうし、「人物が描けていない」なんてことを言う人もいるのだと思います。でも良いじゃないですか、この作品はこのトリックを効果的に使うのを一番の目的に、全ての設定を作っているんですから。ご都合主義万歳ですよ、自分には、全く問題なしです。全ての人は認めなくても、本格ミステリファンはきちんと評価しなければいけない作品ではないかと。そういう意味では、本格ミステリ大賞の候補作にもノミネートされて欲しかったですね、評価時にコテコテに叩かれそうな気もしますが。
 さて石崎 幸二さんの他の作品をAmazonで調べてみますと、4作品とも全て絶版のようです。現時点では文庫化もされていません。今後、乾くるみさんのように人気が出てくると、価格も上がってくるかもしれません。でも今の時点で、電脳はちょっと難しいでしょうかね。

  

  


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「片眼の猿 One‐eyed monkeys」 道尾 秀介

    

内容
俺は私立探偵。ちょっとした特技のため、この業界では有名人だ。その秘密は追々分かってくるだろうが、「音」に関することだ、とだけ言っておこう。今はある産業スパイについての仕事をしている。地味だが報酬が破格なのだ。楽勝な仕事だったはずが―。気付けば俺は、とんでもない現場を「目撃」してしまっていた。

<感想>
 いやー、やっぱりすごいっすわ、道尾秀介。他の作品と比べるとあまり評判は良くなかったような印象があるのですが、自分はとても楽しめました。ケータイでの連載作品のためか、文章のテンポが良く、動きのある場面が多い感じでした。こんな風にも書けるんですね、この作者は。そしていつも通りのミスリーディングの巧みさで、すっかり騙されました。そのサプライズもこの本のテーマに直結しているところがまた見事です。他の作品よりも読後感も悪くないので、入門編としてお勧めかなと思います。  


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テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌

第139回直木賞候補作品決定!

 第139回直木賞の候補作が発表されました。

第139回直木賞候補作品決定!

 候補作は以下の6作品です。どれもランキングは上がっていますね。

井上 荒野 「切羽へ
荻原 浩 「愛しの座敷わらし
新野 剛志 「あぽやん
三崎 亜記  「鼓笛隊の襲来
山本 兼一 「千両花嫁 とびきり屋見立て帖
和田 竜  「のぼうの城

 個人的には荻原浩さんに受賞して欲しいところですが、どうでしょう。直木賞、芥川賞の受賞作の発表は来週の15日だそうです、せどり的にも要チェックですよ。


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テーマ:本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

「君の望む死に方」 石持 浅海

    

内容(出版社 / 著者からの内容紹介)
私は君に殺されることにしたよ
しかも殺人犯にはしない──。
死を告知された男が選んだ自らの最期。
周到な計画は、一人の女性の出現によって齟齬(そご)をきたしはじめた
膵臓ガンで余命6ヶ月──
〈生きているうちにしか出来ないことは何か〉
死を告知されたソル電機の創業社長日向貞則(ひなたさだのり)は社員の梶間晴征に、自分を殺させる最期を選んだ。彼には自分を殺す動機がある。
殺人を遂行させた後、殺人犯とさせない形で──。
幹部候補を対象にした、保養所での“お見合い研修”に梶間以下、4人の若手社員を招集。日向の思惑通り、舞台と仕掛けは調(ととの)った。あとは、梶間が動いてくれるのを待つだけだった。だが、ゲストとして招いた一人の女性の出現が、「計画」に微妙な齟齬(そご)をきたしはじめた……。

<感想>
 「扉は閉ざされたまま」に続く倒叙物の第2弾。今回は殺されようとする者と殺そうとする者の両方の視点で物語は進んでいきます。正直、殺そうとする者がこの動機、この状況で本当に殺されようとす者の思い通り、殺人を決行するかというのは、納得しかねたのですが、その分、殺されようとする者の心情は綿密に描かれています。そのことが、最後に明かされる後付けとも言えるもう一つの動機にも説得力を与えています。このラストは賛否両論あるかもしれませんが、自分にはアリでした。前作からいっても一筋縄では行かないと思っていましたし。読んだ後、最初を読み返すといろいろ想像してしまいますね。

 ところで、一つ気になったことがあるのですが。ネタバレっぽいので以下一応反転。

 妊娠3ヶ月と聞いて、計算が合わないと安堵する場面がありますが(139P)、通常妊娠8週目から妊娠3ヶ月になるので、計算は合う(もしくは合う可能性がある)と思うのですが。妊娠週の数え始めの週にもよりますが。
 つまり晴征は日向の実の息子という可能性があると考えられます。ラストで、成長するに従い父親(堺陽一)に似てきたという記述がありますが(241P)、これは思い込みによるものではないかとも思えます。

 どうでしょうか。考えすぎでしょうかね?  


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テーマ:読書メモ - ジャンル:本・雑誌

「少年検閲官」 北山 猛邦

    

内容(出版社 / 著者からの内容紹介)
何人も書物の類を所有してはならない。もしもそれらを隠し持っていることが判明すれば、隠し場所もろともすべてが灰にされる。僕は書物というものがどんな形をしているのかさえ、よく知らないーー。旅を続ける英国人少年のクリスは、小さな町で奇怪な事件に遭遇する。町中の家々に赤い十字架のような印が残され、首なし屍体の目撃情報がもたらされるなか、クリスはミステリを検閲するために育てられた少年エノに出会うが……。書物が駆逐されてゆく世界の中で繰り広げられる、少年たちの探偵物語。メフィスト賞作家の新境地!

<感想>
 とにかく、書物の所有が許されず、一般人が書物というものの認識さえない設定が印象的です。その世界設定があってこその最後の真相なのですが、どうも自分にはその世界観に十分浸ることができませんでした。あまり詳しく書くとネタばれになってしまいますが、細かい設定を記載していないので、何がどこまで「異なる」世界なのかがわからないんですよね。この作品に限らず、北山さんのトリックは好きなので、その世界観の構築がうまく自分の中で飲み込めれば、もっと評価は高くなるのですが。

 北山さんの本では、これが一応絶版で、微妙に定価超えです。今後ブレイクするともっと高くなるかもしれませんね。

 


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